
戸籍謄本や除籍謄本、改製原戸籍などを郵送で取り寄せるときは、請求書や手数料、返信用封筒だけでなく、原則として請求者の本人確認書類の写しも必要です。運転免許証やマイナンバーカードを利用できますが、「どの面をコピーするのか」「住所変更をしている場合はどうするのか」「パスポートだけでよいのか」など、郵送ならではの注意点があります。
この記事では、戸籍の郵送請求における本人確認書類について、2026年時点の法令や自治体の案内をもとに整理します。自治体によって取扱いが異なる場合があるため、実際に請求する際は本籍地の市区町村の最新案内も確認してください。
目次
戸籍の郵送請求で本人確認書類が必要な理由
戸籍には、氏名や生年月日だけでなく、親子関係や婚姻関係など重要な身分事項が記録されています。そのため、戸籍証明書を請求するときには、実際に請求手続をしている人が誰であるかを確認する仕組みが設けられています。
郵送請求では窓口で直接身分証明書を提示できないため、通常は運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類のコピーを請求書類に同封します。
戸籍法第10条の3
戸籍証明書の交付請求をする際、実際に請求の任に当たる者は、運転免許証の提示その他の法務省令で定める方法により、氏名など本人を特定するために必要な事項を明らかにしなければならないとされています。
郵送請求でも本人確認が必要となる法律上の根拠です。e-Gov法令検索「戸籍法」
郵送請求で使える主な本人確認書類
具体的に認められる書類は自治体によって確認が必要ですが、郵送による戸籍請求では、次のような氏名と現住所を確認できる公的書類が一般的に利用されています。
| 本人確認書類 | 郵送時の主な注意点 |
|---|---|
| 運転免許証 | 氏名と現住所が確認できる面をコピー。住所変更等の記載が裏面にある場合は表裏両面をコピーします。 |
| マイナンバーカード | 通常は顔写真・氏名・住所が記載された表面をコピーします。個人番号が記載された裏面はコピーしません。 |
| 在留カード・特別永住者証明書 | 現住所を確認できる面をコピーします。裏面に住所変更等がある場合は裏面も必要になることがあります。 |
| 資格確認書 | 氏名・住所等を確認できるものとして案内している自治体があります。必要なマスキング等は請求先の案内に従います。 |
パスポートだけでは郵送請求に使えない場合があります。
郵送請求では返送先となる現住所の確認が重要です。現在のパスポートでは住所を公的に確認できないため、横浜市などでは郵送請求の本人確認書類としてパスポートを使用できない旨を案内しています。請求先の自治体が指定する本人確認書類を確認してください。
免許証・マイナンバーカードをコピーするときの注意点
運転免許証は住所変更があるとき裏面もコピーする
運転免許証の表面に旧住所が記載され、裏面の備考欄に現在の住所が記載されている場合は、表面だけでは現住所を確認できません。そのため、表裏両面をコピーして同封します。
マイナンバーカードは原則として表面のみ
マイナンバーカードを本人確認書類として利用するときは、通常、氏名・住所・顔写真がある表面のみをコピーします。裏面には個人番号が記載されているため、戸籍の郵送請求のために裏面をコピーして送ることは避けます。
戸籍法施行規則第11条の2関係
郵便で戸籍証明書の送付を請求する場合、本人確認書類等の写しを送付し、その書類に記載された現住所を戸籍証明書の送付先として指定する方法などが定められています。
本人確認だけでなく、返送先住所の確認にも本人確認書類が使われます。e-Gov法令検索「戸籍法施行規則」
戸籍の返送先と本人確認書類の住所
郵送請求では、戸籍証明書をどこへ返送するかも重要です。本人等による一般的な郵送請求では、本人確認書類などで確認できる請求者の現住所が返送先となるのが基本です。
本人確認書類が旧住所のままで、返信用封筒には新住所を書いている場合などは、そのままでは住所確認ができず、自治体から追加資料を求められたり、請求書類が返送されたりする可能性があります。
引越し直後は特に注意してください。
免許証等の住所変更が済んでいない場合に何を追加すればよいかは自治体により異なります。自己判断で発送せず、本籍地の市区町村へ事前に確認すると確実です。
代理人・行政書士へ依頼する場合
代理人が戸籍を郵送請求する場合は、原則として代理人自身の本人確認書類に加え、請求権限を確認するための委任状等が必要になります。誰の戸籍を、何の目的で取得するかによって必要書類は異なります。
戸籍取り寄せ代行サービスでは、依頼内容と請求権限を確認したうえで、行政書士が依頼者に代わって戸籍等の収集や郵送請求を進めることができます。ただし、第三者請求などは請求権限・利用目的・疎明資料等によって受任できない場合があります。
戸籍取り寄せ代行の料金
| サービス | 料金 |
|---|---|
| 戸籍・住民票・戸籍の附票など1通取得 | 11,000円+実費 |
| 相続等の戸籍収集一式 | 33,000円+実費 |
実費には、自治体へ支払う証明書交付手数料、定額小為替の発行料金、郵送料などが含まれます。案件の内容や請求権限を確認したうえで受任可否をご案内します。
よくある質問
Q1.マイナンバーカードは裏面もコピーしますか?
通常は表面のみをコピーします。裏面には個人番号が記載されているため、戸籍郵送請求の本人確認書類として裏面をコピーする必要はありません。
Q2.運転免許証の住所変更をしています。裏面も必要ですか?
はい。現在の住所が裏面に記載されている場合は、表面と裏面の両方をコピーして同封するのが基本です。
Q3.パスポートだけで戸籍を郵送請求できますか?
郵送では現住所を確認できる本人確認書類が求められるため、パスポートだけでは認められない自治体があります。請求先の市区町村の案内を確認してください。
Q4.本人確認書類の住所と返信先が違っても大丈夫ですか?
一般的な本人等請求では、本人確認書類等で確認できる現住所が返送先となります。住所が一致しない場合は、発送前に請求先自治体へ確認してください。
まとめ
戸籍謄本を郵送で請求するときは、運転免許証やマイナンバーカードなど、氏名と現住所を確認できる本人確認書類の写しが重要です。免許証の住所変更が裏面に記載されている場合は両面をコピーし、マイナンバーカードは原則として表面のみを使用します。
戸籍を何通もさかのぼる必要がある相続手続や、複数自治体への請求が必要な場合は、行政書士による戸籍取り寄せ代行も利用できます。
