
戸籍謄本を取り寄せようとすると、「1通いくらなのか」「除籍謄本や改製原戸籍も同じ料金なのか」「郵送だと結局いくら必要なのか」が分かりにくいことがあります。
戸籍証明書の交付手数料は全国的な標準額が定められており、一般的な戸籍謄本は1通450円、除籍謄本や改製原戸籍は1通750円です。ただし、相続では古い戸籍を何通も取得するケースがあるため、合計額は1通分だけでは済まないことがあります。
また、郵送請求では証明書の手数料だけでなく、自治体が指定する支払方法に伴う費用、役所へ送る郵送料、返信用封筒の切手代なども必要です。本記事では、戸籍取得にかかる費用を整理して解説します。
戸籍謄本の基本的な手数料
戸籍関係証明書は種類によって交付手数料が異なります。代表的なものを整理すると次のとおりです。
| 証明書等 | 標準的な手数料 |
|---|---|
| 戸籍謄本・戸籍全部事項証明書 | 1通450円 |
| 戸籍抄本・戸籍個人事項証明書 | 1通450円 |
| 除籍謄本・除籍全部事項証明書 | 1通750円 |
| 改製原戸籍謄本 | 1通750円 |
| 戸籍記載事項証明 | 証明事項1件350円 |
現在の戸籍だけが必要な場合は450円で済むことがありますが、相続手続では現在戸籍だけでは足りず、除籍や改製原戸籍までさかのぼって取得することがあります。
地方公共団体の手数料の標準に関する政令
戸籍の謄本・抄本や戸籍証明書については1通450円、除かれた戸籍の謄本・抄本や除籍証明書については1通750円が標準額として定められています。
戸籍関係の手数料は市区町村窓口で思いつきで決められているのではなく、地方自治法と政令に基づく全国的な標準が設けられています。
「戸籍謄本」と「全部事項証明書」は料金上も同じ区分です
戸籍がコンピュータ化された自治体では「戸籍全部事項証明書」という名称が一般的ですが、日常的にはこれも戸籍謄本と呼ばれています。
相続ではなぜ費用が増えやすいのか
相続では、亡くなった方の現在の戸籍1通だけで相続関係を確認できるとは限りません。一般に、被相続人について出生から死亡までの連続した戸籍が必要になる場面があり、本籍の移動や婚姻、戸籍制度の改製などにより複数の戸籍へ分かれていることがあります。
たとえば、現在の戸籍証明書が1通、過去の除籍・改製原戸籍が2通必要であれば、証明書の交付手数料だけでも450円+750円+750円となり、合計1,950円になります。
さらに相続人の戸籍や戸籍の附票などが必要になれば、その分も加わります。そのため、相続戸籍の費用は「戸籍謄本1通450円」という表示だけでは予算を判断できません。
戸籍法第12条の2
戸籍法では、除かれた戸籍についても戸籍謄本等の請求に関する規定を準用する仕組みが置かれています。相続で古い除籍や改製原戸籍を収集する場合も、請求できる立場や利用目的を確認する必要があります。
郵送請求で追加になる費用
戸籍を本籍地の自治体へ郵送請求する場合、証明書の交付手数料以外にも費用が発生します。
| 費用 | 内容 |
|---|---|
| 証明書手数料 | 戸籍450円、除籍・改製原戸籍750円など |
| 手数料の送金費用 | 定額小為替等、自治体が指定する方法に伴う費用 |
| 役所への郵送料 | 請求書類を自治体へ発送する費用 |
| 返信用郵送料 | 戸籍を返送してもらう封筒・切手等 |
| 速達等の追加料金 | 必要に応じて速達、書留等を利用する場合 |
自治体によっては定額小為替以外の支払方法やオンライン請求に対応している場合もあります。郵送する前に必ず請求先自治体の公式案内を確認してください。
戸籍法第10条第3項
戸籍法は、戸籍謄本等を請求する者が郵便その他法務省令で定める方法によって証明書の送付を求められることを定めています。
そのため、本籍地が遠方でも、請求権限があれば郵送で戸籍を取り寄せることが可能です。
定額小為替の金額を自己判断で少なくしない
相続戸籍では、役所が調査して初めて必要な戸籍の通数が分かることがあります。送付した手数料が不足すると、自治体から追加送付を求められ、取得までの日数が延びることがあります。
行政書士へ依頼する場合の料金
自分で戸籍を取得する場合は上記の実費が中心ですが、行政書士へ取り寄せを依頼する場合は、実費とは別に業務報酬がかかります。
戸籍取り寄せ代行サービスの料金
戸籍等1通の取り寄せ:11,000円+実費
相続等に必要な戸籍の一式収集:33,000円+実費
実費には、戸籍等の交付手数料、郵送料、定額小為替等の取得に伴う費用などが含まれる場合があります。実際の戸籍数によって実費は変わります。
本籍地が何度も変わっている場合や、どの戸籍を請求すればよいか分からない場合は、行政書士が依頼者に代わって必要な戸籍をたどりながら取得することができます。ただし、第三者請求などは請求権限、利用目的、資料の内容により受任できない場合があります。
手数料で間違えやすいポイント
戸籍はすべて450円だと思い込む
現在の戸籍証明書は450円ですが、除籍や改製原戸籍は750円です。相続では750円の戸籍が複数必要になることがあります。
郵送費を証明書手数料に含めて考える
450円や750円は基本的に証明書の交付手数料です。往復の郵送料や定額小為替等に伴う費用は別に必要となります。
何通必要か確認せず最低額だけ送る
相続目的で「出生から死亡まで」などと請求すると、自治体から複数通の戸籍が交付される場合があります。手数料不足が生じる可能性を考えて、請求先自治体の案内に従いましょう。
戸籍の附票や住民票も同じ料金だと思う
戸籍の附票や住民票の写しは、戸籍謄本とは手数料体系が異なります。自治体ごとの条例で金額が設定されているものもあるため、個別確認が必要です。
よくある質問
Q1.戸籍謄本は全国どこでも450円ですか?
戸籍証明書については、政令で1通450円の標準額が定められており、多くの自治体でこの金額が用いられています。実際に請求する際は自治体の最新案内を確認してください。
Q2.改製原戸籍はいくらですか?
改製原戸籍や除籍謄本は、一般に1通750円です。相続では複数の改製原戸籍や除籍が必要になる場合があります。
Q3.郵送請求なら450円だけ送ればよいですか?
証明書が1通だけなら交付手数料は450円の場合がありますが、それとは別に役所への郵送料、返信用郵送料、指定された支払方法に伴う費用などが必要です。
Q4.相続で戸籍が何通必要になるか分かりません。
被相続人の本籍移動や婚姻、戸籍の改製状況などで通数は変わります。現在の戸籍から古い戸籍へ順番にたどることで必要な範囲を確認します。
Q5.戸籍取得だけ行政書士に依頼できますか?
請求権限等の条件を満たす場合は、戸籍の取り寄せだけを依頼することも可能です。第三者請求等では利用目的や資料によって受任できない場合があります。
まとめ
戸籍謄本・戸籍全部事項証明書の手数料は一般に1通450円、除籍謄本・改製原戸籍は1通750円です。相続では複数の戸籍が必要になるため、合計の実費が数千円以上になることもあります。
郵送請求では証明書手数料に加えて、往復の郵送料や自治体指定の支払方法に伴う費用も考える必要があります。特に相続で必要な戸籍の範囲が分からない場合は、戸籍を順番にたどって確認することが重要です。
