
戸籍謄本には「本籍」が記載されているため、本籍を住所だと思ってしまうことがあります。しかし、戸籍の本籍と、実際に生活している住所は別のものです。
現在の住所を確認したい場合には一般に住民票を利用し、過去の住所履歴を戸籍とのつながりで確認したい場合には戸籍の附票を利用します。この記事では、戸籍謄本、本籍、住民票、戸籍の附票の違いを整理します。
戸籍謄本に現住所は載る?
戸籍謄本は、現在住所を証明することを主目的とした証明書ではありません。戸籍には本籍が記載されますが、本籍と現在住所は一致するとは限りません。
たとえば、奈良県に住んでいても大阪市に本籍があるケースはあります。引っ越しをして住所を変更しても、本籍を変更する転籍の届出等をしない限り、本籍が自動的に新住所へ移るものではありません。
現在の住所を確認したい場合は住民票、戸籍にひも付く過去の住所履歴を確認したい場合は戸籍の附票を確認するのが基本です。
本籍と住所は別のもの
本籍は、その戸籍が置かれている場所を示すものです。一方、住所は生活の本拠を示し、住民基本台帳に記録されます。
| 項目 | 意味 | 主な証明書 |
|---|---|---|
| 本籍 | 戸籍を置いている場所 | 戸籍謄本等 |
| 現在住所 | 現在の生活の本拠 | 住民票 |
| 住所履歴 | 過去に住民登録されていた住所の推移 | 戸籍の附票など |
戸籍は本籍と筆頭者によって表示されます。本籍は戸籍を特定するための重要な情報ですが、現在住所を意味するものではありません。
現在の住所を証明するなら住民票
現在の住所を公的に確認する場合には、通常は住民票の写しを利用します。住民票には氏名、住所、生年月日などが記録され、必要に応じて世帯主や続柄、本籍・筆頭者などの項目を表示する取扱いがあります。
つまり、「今どこに住民登録しているのか」を確認する書類と、「誰とどのような身分関係にあるのか」を確認する戸籍は、役割が異なります。
提出先から「戸籍謄本」と指定されている場合には、住所確認だけでなく、親子・夫婦関係などの身分関係を確認する目的があることも考えられます。自己判断で住民票へ置き換えず、提出先が求める証明書を確認しましょう。
過去の住所履歴を確認するなら戸籍の附票
戸籍の附票は、本籍地の市区町村が戸籍とともに管理する記録で、戸籍が作られてから、またはその戸籍へ入ってからの住所履歴を確認するために利用できます。
横浜市は、戸籍の附票について「戸籍が作成されてからの住所の履歴が記載されている」証明書と案内しています。大阪市も、その戸籍が作られてから、または戸籍に入籍してから、現在まで又は除籍までの住所が記録されると説明しています。
住所地で住民登録に異動が生じると、その情報が本籍地へ通知され、戸籍の附票へ反映される仕組みがあります。このため、戸籍の附票は過去の住所のつながりを確認する資料として利用されます。
戸籍等1通の取り寄せ:11,000円+実費
相続等で必要となる戸籍一式の収集:33,000円+実費
戸籍の附票などについても、依頼目的と請求権限を確認しながら必要書類を整理します。第三者請求等は、請求権限・利用目的・資料により受任できない場合があります。
戸籍の附票でどこまで住所をさかのぼれる?
戸籍の附票に記録される住所は、その戸籍が作られた後、またはその戸籍に入った後の住所履歴が基本です。そのため、生まれてから現在までの住所が必ず1通の附票ですべて確認できるわけではありません。
転籍や婚姻などで戸籍が変わっている場合には、前の戸籍に対応する附票を確認する必要があることがあります。また、戸籍のコンピューター化などで附票が改製されている場合には、改製原附票が必要になる場合があります。
大阪市は、戸籍の附票が除票になった場合のほか、戸籍の電算化や記載欄不足により改製された従前の附票を「改製原附票」と案内しています。
戸籍の附票の除票・改製原附票の保存期間は現在150年間とされていますが、保存期間が延長される前にすでに廃棄されている記録もあります。古い住所の証明が必要な場合は、本籍地の自治体に保存状況を確認してください。
住民基本台帳法施行令の改正により、2019年6月20日から戸籍の附票の除票等の保存期間は従来の5年間から150年間へ延長されました。ただし、改正前に保存期間を経過して廃棄済みの附票が復元されるわけではありません。
戸籍の附票を郵送で取り寄せるときのポイント
戸籍の附票は、本籍地の市区町村へ郵送請求することができます。自治体によって様式や手数料、送付先は異なりますが、一般に請求書、本人確認書類の写し、手数料、返信用封筒などを準備します。
横浜市では、郵送による戸籍の附票の請求について、請求用紙、手数料、返信用封筒、本人確認書類の写しなどを案内しています。
また、現在の戸籍の附票では本籍・筆頭者の表示が原則省略される自治体があります。横浜市や大阪市でも、本籍・筆頭者の記載が必要な場合には、その旨を請求時に指定する取扱いが案内されています。
よくある質問
Q1.戸籍謄本に今住んでいる住所は載っていますか?
戸籍謄本は現在住所を証明するための書類ではありません。現在住所を確認する場合は、通常は住民票を利用します。
Q2.本籍と住所が同じ人もいますか?
同じ場合もありますが、必ず同じになるものではありません。本籍と住所は別の制度で管理されています。
Q3.過去の住所を全部調べるには戸籍の附票1通で足りますか?
足りない場合があります。転籍、婚姻、戸籍の改製などがあると、複数の戸籍に対応する附票や改製原附票が必要になることがあります。
Q4.戸籍の附票に本籍と筆頭者は載っていますか?
現在の取扱いでは原則省略される自治体があります。必要な場合には、請求書で本籍・筆頭者の表示を希望する旨を指定します。具体的な取扱いは本籍地の自治体へ確認してください。
Q5.行政書士に戸籍の附票の取り寄せを依頼できますか?
依頼目的や請求権限などを確認したうえで、依頼者に代わって取得手続きを進められる場合があります。第三者請求などは、利用目的や必要資料によって受任できないことがあります。
まとめ
戸籍謄本に記載される「本籍」は現在の住所とは異なります。現在住所を証明したい場合には住民票、戸籍とひも付いた住所履歴を確認したい場合には戸籍の附票を利用するのが基本です。
ただし、転籍や婚姻、戸籍の改製などがある場合、1通の戸籍の附票だけでは必要な住所履歴を確認できないことがあります。必要な時点の住所までさかのぼる場合には、戸籍の移動や附票の改製状況も確認しながら取得することが重要です。
