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COLUMN

改製原戸籍とは?戸籍謄本・除籍謄本との違いと相続で必要になる理由を行政書士が解説

改製原戸籍とは?戸籍謄本・除籍謄本との違いと相続で必要になる理由を行政書士が解説

相続のために戸籍を集めていると、市区町村役場や金融機関、専門家などから「改製原戸籍も取得してください」と言われることがあります。普段は現在の戸籍謄本しか見る機会がないため、「改製原戸籍とは何なのか」「除籍謄本とは何が違うのか」と戸惑う方も少なくありません。

改製原戸籍とは、戸籍制度の変更や戸籍事務のコンピュータ化などによって新しい様式の戸籍へ作り替えられる前の元の戸籍です。現在の戸籍だけでは過去の婚姻・死亡・離縁などを確認できない場合があるため、特に相続では重要な資料になります。

この記事では、改製原戸籍と戸籍謄本・除籍謄本の違い、相続で必要になる理由、戸籍を出生までさかのぼる際の見方や取得方法について、行政書士が分かりやすく解説します。

改製原戸籍とは

戸籍は、一度作成されたものが永久に同じ様式のまま使われ続けるわけではありません。法令の改正や戸籍事務のコンピュータ化などに伴い、それまで使われていた戸籍から新しい戸籍へ記録を移して作り替えることがあります。この作り替えを「改製」といい、改製される前の元の戸籍が「改製原戸籍」です。

「原戸籍」は「げんこせき」と読みますが、現在の戸籍との聞き間違いを避けるため、実務では「はらこせき」と呼ばれることもあります。

重要なのは、戸籍を改製したとき、古い戸籍に記載されていた内容が必ずすべて新しい戸籍へ移されるわけではないことです。たとえば、改製前に婚姻や死亡などによってすでにその戸籍から除かれていた人や、過去の身分事項の一部は、改製後の戸籍では確認できないことがあります。

ポイント

現在の戸籍謄本を取得しても、過去の家族関係やすでに除籍された人がすべて載っているとは限りません。過去の記録を確認する必要があるときに、改製原戸籍が重要になります。

戸籍法第12条の2

戸籍法では、除かれた戸籍の謄本・抄本等の交付請求についても、本人等による請求や第三者請求、本人確認などに関する規定を準用しています。改製原戸籍や除籍を取得する場合も、誰でも自由に取得できるわけではありません。

e-Gov法令検索「戸籍法」

戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍の違い

「戸籍謄本」「除籍謄本」「改製原戸籍」は似た言葉ですが、戸籍がどのような状態になったかによって名称が異なります。

種類 概要 主な利用場面
現在戸籍 現在有効な戸籍。コンピュータ化された戸籍では全部事項証明書などと呼ばれます。 各種届出、相続、パスポート等
除籍 婚姻、死亡、転籍などによって戸籍に在籍する人が全員いなくなった戸籍などです。 相続人調査、過去の身分関係の確認等
改製原戸籍 法令改正やコンピュータ化等によって戸籍が作り替えられた際の、改製前の戸籍です。 相続人調査、過去の婚姻・親子関係等の確認

たとえば、ある人が亡くなったからといって、その戸籍が必ず直ちに「除籍謄本」になるわけではありません。同じ戸籍に配偶者などが残っていれば、その戸籍自体は現在戸籍として存続することがあります。

一方、改製原戸籍は「誰かが死亡したから作られる戸籍」ではありません。戸籍制度上の改製によって、それまでの戸籍が過去の戸籍になったものです。

昭和改製原戸籍と平成改製原戸籍

相続手続でよく目にする改製原戸籍には、大きく「昭和改製原戸籍」と「平成改製原戸籍」があります。

昭和改製原戸籍

戦後の戸籍制度の変更に伴い、昭和32年の法務省令によって旧来の戸籍から新しい制度に対応した戸籍への改製が進められました。その際、改製前の戸籍として残されたものが一般に「昭和改製原戸籍」と呼ばれています。

古い相続案件や高齢の方の出生時まで戸籍をさかのぼる場合には、この時代の改製原戸籍が必要になることがあります。

平成改製原戸籍

平成6年以降、戸籍事務をコンピュータで処理できる制度が整備され、多くの市区町村で紙の戸籍からコンピュータ化された戸籍への改製が行われました。このコンピュータ化前の戸籍が「平成改製原戸籍」と呼ばれます。

実際のコンピュータ化時期は自治体ごとに異なります。そのため、「平成6年に全国の戸籍が一斉に切り替わった」という意味ではありません。

現在戸籍だけでは分からないことがあります

コンピュータ化の際、改製時点ですでに婚姻や死亡等によって除籍されていた人などは、新しい戸籍へ移記されないことがあります。過去の家族関係を確認する場合には、平成改製原戸籍まで確認することが重要です。

相続で改製原戸籍が必要になる理由

相続では、単に「亡くなったこと」を証明するだけでは足りないことがあります。誰が法定相続人なのかを確定するため、原則として被相続人について出生から死亡までの身分関係が連続して確認できる戸籍を集める必要があるためです。

たとえば現在の戸籍に子が2人しか記載されていなくても、以前の戸籍を確認すると、過去の婚姻による子や養子などが判明する可能性があります。現在戸籍だけを見て相続人を判断することはできません。

そのため、現在戸籍から一つ前の除籍・改製原戸籍を確認し、さらにそこに記載された従前本籍や戸籍編製の経緯をたどりながら、出生時の戸籍までさかのぼっていきます。

民法第887条・第889条・第890条

民法では、被相続人の子を相続人とし、子等がいない場合には一定の要件のもとで直系尊属や兄弟姉妹が相続人となること、また配偶者は常に相続人となることなどを定めています。誰が相続人になるのかを判断する前提として、戸籍による親族関係の確認が重要です。

e-Gov法令検索「民法」

現在戸籍だけでは出生までつながらない

人の戸籍は、婚姻、離婚、転籍、養子縁組、分籍、戸籍の改製などによって変化します。そのため、亡くなった時点の戸籍を1通取得しただけで、出生までのすべての情報が確認できるケースは通常多くありません。

特に相続では、戸籍に記載された「従前戸籍」「従前本籍」「入籍」「婚姻」「転籍」「改製」などの記録を読み取り、次に取得すべき戸籍を判断する必要があります。

出生から死亡までの戸籍をたどる方法

相続戸籍を集める場合、一般的には死亡時点の戸籍から過去へ向かって順番にたどります。

手順 確認する内容
1 死亡時の本籍地で現在戸籍または除籍を取得する
2 その戸籍がいつ編製されたかを確認する
3 改製されていれば改製原戸籍を取得する
4 転籍・婚姻等があれば、その前の本籍地の戸籍を取得する
5 出生の記載が確認できる戸籍まで連続させる

戸籍の途中が1つ抜けていると、出生から死亡までの親族関係が連続して証明できない場合があります。「何通取得したか」ではなく、必要な期間が戸籍によって途切れずにつながっているかを確認することが大切です。

本籍地が複数の市区町村に変わっている場合

転籍や婚姻などによって本籍地が変わっている場合、それぞれの時点で戸籍を管理していた市区町村の戸籍を確認する必要があります。現在の本籍地だけにすべての過去戸籍が存在するとは限りません。

改製原戸籍の取得方法

改製原戸籍は、請求権限がある方が本籍地の市区町村へ請求するのが基本です。現在は戸籍証明書等の広域交付制度もありますが、対象となる証明書や請求方法には制限があり、すべての改製原戸籍をどこの市区町村でも必ず取得できるわけではありません。

特に古い戸籍やコンピュータ化されていない戸籍については広域交付の対象外となることがあるため、本籍地の市区町村への請求が必要になる場合があります。

本籍地へ郵送請求する

遠方の市区町村に本籍がある場合には、郵送で請求できることがあります。一般的には、戸籍証明書の交付請求書、本人確認資料、手数料、返信用封筒などを準備しますが、必要書類や支払方法は自治体によって異なるため、請求先自治体の公式ページで確認してください。

本人以外が請求する場合

戸籍に記載されている本人、その配偶者、直系尊属、直系卑属などは、戸籍法上の一定の範囲で請求できます。それ以外の方が請求する場合には、委任状による代理請求や、正当な理由を示した第三者請求など、別の要件を満たす必要があります。

戸籍法第10条・第10条の2

戸籍法第10条では、戸籍に記載されている者やその配偶者、直系尊属、直系卑属などによる請求を定めています。一方、第10条の2では、それ以外の第三者が請求する場合について、権利行使・義務履行のために必要である場合など一定の要件を定めています。

e-Gov法令検索「戸籍法」

戸籍収集を行政書士へ依頼する方法

相続で必要となる戸籍は、被相続人の年齢、本籍の移動、婚姻歴、養子縁組などによって取得する通数や請求先が大きく変わります。古い改製原戸籍では手書きの記載も多く、次にどこの戸籍を請求すればよいか判断しにくいこともあります。

当サービスでは、依頼者に代わって必要な戸籍・除籍・改製原戸籍等を確認し、請求先を整理したうえで戸籍収集を代行しています。

ただし、第三者の戸籍については、請求権限、利用目的、疎明資料などによって取得できない場合があります。行政書士へ依頼すれば、目的を問わず誰の戸籍でも取得できるという制度ではありません。

戸籍取り寄せ代行サービスの料金

戸籍・住民票・附票など1通 11,000円+実費
相続等に必要な戸籍一式 33,000円+実費

実費には、自治体へ支払う証明書交付手数料や郵送料等が含まれます。請求内容や請求権限を確認した結果、受任できない場合があります。

料金の詳細を見る 戸籍取り寄せについて相談する

改製原戸籍についてよくある質問

Q1.改製原戸籍と除籍謄本は同じものですか?

同じものではありません。除籍は、婚姻・死亡・転籍などにより戸籍に在籍する人がいなくなった場合などの戸籍です。改製原戸籍は、法令改正やコンピュータ化などによって戸籍が作り替えられた際の、改製前の戸籍を指します。

Q2.現在の戸籍謄本があれば相続手続はできますか?

現在戸籍だけでは足りないことがあります。相続人を確認するため、被相続人について出生から死亡までの戸籍・除籍・改製原戸籍等が必要になるのが一般的です。遺言の有無や具体的な手続によって必要書類は異なります。

Q3.改製原戸籍には現在の戸籍に載っていない人が載っていることがありますか?

あります。改製前に婚姻や死亡などで除籍されていた人が、改製後の戸籍へ移記されていない場合があります。過去の親族関係を確認する際に改製原戸籍が重要となる理由の一つです。

Q4.改製原戸籍は郵送でも取得できますか?

本籍地の市区町村が郵送請求を受け付けていれば請求できます。必要書類、手数料の支払方法、送付先などは自治体によって異なるため、請求前に公式情報を確認してください。

Q5.行政書士に出生から死亡までの戸籍をまとめて依頼できますか?

請求権限や利用目的などの条件を満たす場合には、相続等に必要な戸籍の収集をまとめて依頼することができます。当サービスでは相続等一式の戸籍収集にも対応しています。

まとめ

改製原戸籍とは、戸籍制度の変更やコンピュータ化などによって新しい戸籍へ作り替えられる前の戸籍です。現在の戸籍には移記されていない過去の家族関係や身分事項が記載されている場合があるため、相続人を正確に確認するうえで重要な資料になります。

相続では、現在戸籍だけではなく、除籍や改製原戸籍を順番にたどり、被相続人の出生から死亡までの身分関係を連続して確認する必要があるケースが多くあります。本籍の移動が多い場合や古い戸籍の読み取りが難しい場合には、行政書士へ戸籍収集を依頼する方法もあります。

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