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COLUMN

戸籍謄本で婚姻歴・離婚歴はどこまで分かる?転籍・改製後の記載を行政書士が解説

戸籍謄本で婚姻歴・離婚歴はどこまで分かる?転籍・改製後の記載を行政書士が解説

「戸籍謄本を見れば、過去の結婚や離婚はすべて分かるのか」と疑問に思う方は少なくありません。戸籍には婚姻や離婚などの身分事項が記録されますが、現在取得できる戸籍1通だけで、その人の過去の婚姻・離婚歴がすべて確認できるとは限りません。

特に、転籍、新戸籍の編製、戸籍のコンピューター化に伴う改製などが行われていると、過去の戸籍や改製原戸籍まで確認する必要がある場合があります。この記事では、戸籍上の婚姻・離婚の記載と、どこまでさかのぼれば履歴を確認できるのかを解説します。

婚姻・離婚は戸籍に記載される

戸籍は、出生、婚姻、離婚、養子縁組、死亡など、人の重要な身分関係を記録する制度です。そのため、婚姻届や離婚届が受理されると、その内容に応じて戸籍が編製されたり、身分事項に婚姻・離婚の事実が記載されたりします。

出来事 戸籍上の主な動き
婚姻 夫婦について新しい戸籍が編製されたり、一方が戸籍から除かれたりする
協議離婚 離婚の事実が身分事項として記載され、一方が元の戸籍へ戻る又は新戸籍を作る場合がある
裁判離婚 判決・調停・審判等に基づく離婚として戸籍に反映される
民法第739条・第764条、戸籍法第74条・第76条などとの関係

婚姻や離婚は、届出によって戸籍へ反映される代表的な身分行為です。法務省の婚姻届・離婚届の案内でも、婚姻届は戸籍法第74条、離婚届は戸籍法第76条等を根拠として案内されています。

法務省「婚姻届」

法務省「離婚届」

現在の戸籍だけで全部分かるとは限らない

重要なのは、「戸籍に婚姻や離婚が記録される」ことと、「現在の戸籍1通に過去の婚姻・離婚がすべて並んでいる」ことは同じではないという点です。

人は婚姻、離婚、転籍などによって別の戸籍へ移ることがあります。また、法令上の改製によって戸籍が新しい様式へ作り替えられることもあります。この場合、過去の戸籍に記載されていた事項が、現在の戸籍へすべて同じ形で移記されるとは限りません。

「今の戸籍に書いていない=過去にその事実がない」とは限りません

現在戸籍だけを確認して婚姻歴・離婚歴を断定するのではなく、必要に応じて、その前の戸籍、除籍、改製原戸籍まで連続して確認することが重要です。

転籍すると離婚歴は消える?

転籍とは、本籍を別の場所へ移す手続です。転籍によって新しい戸籍が作られた場合、従前の戸籍と新しい戸籍では表示される身分事項の範囲が異なることがあります。

そのため、現在の戸籍だけを見ると以前の離婚に関する記載が確認できないケースがあります。しかし、これは過去に起きた身分関係そのものがなくなったという意味ではありません。必要であれば、転籍前の戸籍を取得して確認します。

戸籍は身分関係を公証する制度

法務省は、戸籍制度について、日本国民の国籍と夫婦・親子・兄弟姉妹などの親族的身分関係を登録し、公証する制度と説明しています。現在戸籍だけで目的の事項が確認できない場合には、過去の戸籍をたどる必要があります。

法務省「戸籍のABC(Q1~Q5)」

戸籍取り寄せ代行サービスの料金

戸籍等1通の取り寄せ:11,000円+実費

相続等で必要となる戸籍一式の収集:33,000円+実費

現在戸籍だけで目的を満たさない場合には、必要に応じて除籍や改製原戸籍をたどります。第三者請求などは請求権限・利用目的・資料等によって受任できない場合があります。

料金の詳細を見る戸籍取り寄せについて相談する

戸籍の改製前の情報はどう確認する?

戸籍は制度変更やコンピューター化などによって改製されることがあります。改製によって新しく作られた戸籍が現在戸籍となり、それ以前のものは改製原戸籍として保存されます。

婚姻歴や離婚歴をさかのぼって確認する必要があるときに、現在戸籍だけでは目的の事項が確認できなければ、改製原戸籍を取得して確認する場合があります。

特に相続では、被相続人の出生から死亡までの親族関係を確認するため、現在戸籍だけでなく、改製原戸籍や除籍を順番に取得することが一般的です。

婚姻歴・離婚歴を確認したいときの戸籍の追い方

過去の婚姻や離婚を戸籍で確認する場合には、目的と必要な時点を明確にしたうえで戸籍を追います。

確認したい内容 考えられる確認方法
現在の婚姻関係 現在の戸籍を確認
以前の離婚記録 現在戸籍に記載がなければ従前戸籍も確認
転籍前の身分事項 転籍前の戸籍・除籍を確認
改製前の記録 改製原戸籍を確認

戸籍を郵送で請求するときには、本籍や筆頭者を特定し、必要な戸籍の種類を請求書へ記載します。どの戸籍まで取得すれば目的を満たすのか判断しにくい場合には、行政書士等へ戸籍収集を依頼する方法もあります。

戸籍証明書の請求には請求できる人の範囲があります

本人、配偶者、直系尊属、直系卑属などは一定の範囲で戸籍証明書を請求できます。一方、それ以外の人が第三者として取得する場合には、権利行使や義務履行などの正当な理由を具体的に示す必要があります。

法務省「戸籍ABC(Q6~)」

相続戸籍でも過去の身分事項確認が重要

相続では、亡くなった方の子、配偶者、父母、兄弟姉妹などを確定する必要があります。たとえば過去の婚姻関係から子がいる可能性などを確認するためにも、出生から死亡まで戸籍を連続して確認することが重要です。

行政書士へ依頼した場合には、依頼者に代わって本籍の移動を確認しながら、必要な戸籍を各市区町村から取り寄せる支援が可能です。ただし、請求権限や依頼内容によって取り扱えない場合があります。

よくある質問

Q1.離婚歴は現在の戸籍謄本を見れば必ず分かりますか?

必ずしもそうではありません。転籍や改製、新戸籍の編製などにより、現在戸籍だけでは過去の離婚に関する事項が確認できない場合があります。

Q2.転籍すれば離婚した事実そのものがなくなりますか?

いいえ。現在の戸籍上で表示される事項が変わることはありますが、過去の身分関係そのものがなかったことになるわけではありません。必要に応じて転籍前の戸籍を確認します。

Q3.元配偶者の戸籍を自由に取得できますか?

元配偶者という関係だけで無条件に取得できるとは限りません。請求する戸籍との関係や請求目的に応じて、請求権限や正当な理由の確認が必要です。

Q4.過去の婚姻歴を確認するには何通必要ですか?

人によって異なります。転籍や改製、婚姻・離婚による戸籍移動が複数回あれば、複数の戸籍・除籍・改製原戸籍が必要になることがあります。

まとめ

婚姻や離婚は戸籍へ記録されますが、現在の戸籍1通だけで過去の婚姻歴・離婚歴をすべて確認できるとは限りません。転籍、新戸籍の編製、戸籍の改製などがある場合には、以前の戸籍、除籍、改製原戸籍まで確認する必要があります。

特に相続などで正確な身分関係を確認する場合には、「現在戸籍に記載されているか」だけではなく、戸籍を時系列に沿って連続して確認することが重要です。

参考サイト・外部リンク